天井のシミの原因は雨漏り!?天井のシミの原因と対処法について解説!
ある日生活をしていたら、天井にシミができていた!といった経験をしたことがある方もいらっしゃると思います。その原因として考えられるものとして、「雨漏り」があります。しかし、その雨漏りもどのような原因で発生しているのかもケースによって異なってきます。また、天井のシミが雨漏り以外の可能性も考えられます。
この記事では、天井のシミの原因と対処法、雨漏りを放置することでの被害について解説していきます。
天井シミができる雨漏りの原因箇所
建物内で見られる天井の雨漏りのシミは、単一の原因ではなく、屋根以外のさまざまな場所で発生する可能性があります。雨漏りは単に屋根からだけでなく、さまざまな箇所で発生することがあります。雨漏りの原因には、屋根や外壁の劣化、工事の不良、風災や雷による被害などが考えられます。雨漏りが放置されると、建物全体に損害を与える可能性があるため、迅速に対処する必要があります。また、使用されている屋根材によっても雨漏りの原因が異なります。
一般的な屋根材には以下の3つがあります。
・瓦屋根
・スレート屋根(コロニアル・カラーベスト)
・金属屋根(ガルバリウム鋼板・トタンなど)
それぞれの屋根材における雨漏りの原因について見ていきましょう。
瓦屋根での雨漏りの原因
瓦屋根の場合、雨漏りの原因は主に瓦のズレや破損、漆喰の崩れ、防水シートの劣化、雨樋などが挙げられます。
一般的に、瓦屋根はその耐用年数が50年以上とされていますが、実際には漆喰やそれを覆う防水シートが早い段階で劣化することがあります。これにより、瓦以外の部分が劣化し、それが雨漏りの原因となることがよく見られます。
スレート屋根での雨漏りの原因
スレート屋根の場合、雨漏りの主な原因は屋根材の劣化、ひび割れ、防水シートの劣化、棟板金の劣化などです。
スレート屋根は防水塗装によって防水効果を得ているため、定期的なメンテナンスと点検が必要です。
スレートの耐用年数が経過した場合、全面的な修繕が必要になることがあります。この際には、カバー工法や屋根の葺き替えなどが検討されます。
金属屋根での雨漏りの原因
金属屋根の場合、雨漏りの主な原因はサビによる穴の開きや、棟板金や谷板金の劣化により釘が浮いたり穴が開くことです。
特にガルバリウム屋根では、サビを防ぐために自主的に屋根全体にシャワーをかけて洗い流すなどの定期的な清掃が必要です。これにより、屋根の寿命を延ばし、雨漏りのリスクを低減できます。
雨漏り以外の天井のシミの4つの原因
1. 小屋裏(屋根裏)の結露
湿気の原因は多岐にわたりますが、ここでは「窓の結露」というテーマに焦点を当て、対処法を紹介します。
まず、窓の結露が生じる主な原因は、室内外の温度差や湿度の差、窓の断熱性能の低さなどが挙げられます。
【天井断熱の結露】
屋内で暖房された空気が上昇し、天井を抜けて屋根裏に到達します。屋根裏は、外気の影響を受けて冷えているため、湿った空気が屋根裏の金属などに冷やされて水蒸気となり、金属の表面で水滴となって天井に落ち、シミの原因となります。
【屋根断熱の結露】
湿った空気が屋根断熱の屋根材まで達すると、外部の屋根材に冷やされることで野地板と断熱材の間で結露が発生します。下記の写真は、屋根断熱を取り除いたときに確認された結露の状態です。これにより、野地板の水滴が天井裏に落ち、シミが形成されます。
2.すが漏り
「すが漏り」とは、主に寒冷地域で冬季に野地裏で水蒸気が凍結し、春になると凍結した水蒸気が解け出して雨漏りのようになる現象を指します。小屋裏の腐朽を考慮すると、換気による空気の循環システムを導入することも望ましいと考えられます。
3.小動物の糞尿
シミの原因としては、ネズミやハクビシンなどの小動物の糞尿が関与する可能性があります。この状況では、住んでいる方には匂いや天井裏での音などが一定程度察知されることがあります。
4.化粧合板(ラミネート天井)
一般的な住宅の天井には、無垢材ではなく主に化粧合板(ラミネート天井)が使われています。これは、木目のプリント合板に接着剤で貼り付けられた天井板であり、経年劣化により接着剤が表層に移行し、雨漏りのようなシミ痕が生じることがあります。
ただし、全てのケースでこのような現象が生じるわけではなく、直線的に広がるシミは何らかの手が加えられた結果である可能性が高く、経年劣化とともに加工過程や材料選択のミスが影響している可能性も考えられます。
5.水道管の破裂やサビ
水が垂れてきたり、水の量が異常に多い場合は、水道管の破裂を疑うべきです。特に2階にお風呂やトイレ、洗面所がある場合、水道管が壁や天井に設置されており、これらが凍結などで破裂すると、大量の水が漏れ出します。
通常、水道管からの水漏れは経年劣化が主な原因ですが、築浅の住宅でも寒冷地域では水道管の凍結による破裂が発生する可能性があるため、注意が必要です。
また、水道管にはかつて「鉄」が使われていました。鉄管は徐々に錆びてしまい、築20年以上の場合はサビによる水漏れの可能性が高まります。最近の住宅ではポリエチレン管が主流ですが、鉄管が使用されている場合はサビによる漏れの可能性が考えられます。
さらに、大きな衝撃が加わると水道管が破裂することもあります。地震の後に水漏れが発生した場合は、地震による破裂の可能性も考慮すべきです。
水道管の破裂や経年劣化による水漏れの場合は、地域の指定工事業者に修理を依頼することが重要です。
6.2階のキッチンやお風呂、トイレ
1階で雨漏りが発生し、その周辺がシミになっている場合、2階の水回りからの水漏れの可能性が高まります。
具体的には、トイレ、お風呂、洗面所などの水回りが該当します。水漏れの原因としては、排水管の接合部分やユニットバスの下の配管の劣化、接合ミスなどが挙げられます。
築20年以上経過した住宅では経年劣化が考えられますが、築浅の場合は施工ミスが原因となることもあります。このような場合は、ハウスメーカーや工務店に連絡して修繕を依頼しましょう。
築10年以内の水漏れの場合、建て主の負担なしに修繕してもらえる可能性があります。
雨漏りによる天井のシミの放置による被害
1.カビによるアレルギーやシックハウス症候群
湿気が広がる雨漏りが放置されると、そのままカビの発生につながります。この状態は、住宅内に住む人々の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。以下はその主な影響です。
・アレルギー反応
・ぜんそくや呼吸器系の疾患
・シックハウス症候群
これらの健康被害は、カビが生成する有害物質であるカビ毒によるものです。さらに、カビ毒はダニのエサともなり、家にダニを引き寄せる可能性もあります。
2.シロアリが家を食べる
雨漏りはシロアリの発生を促す原因となります。
湿った木材がシロアリの大好物であり、雨漏りによって湿った木材や室内が放置されると、シロアリを引き寄せることになります。シロアリは湿った木材、家の柱、壁などを主食として摂取します。
小さなシロアリでも、その破壊力は非常に強力で、場合によっては家の柱をまるごと1本食べてしまうことさえあります。家の木材部分を食べるため、建物が傷み、耐震性も低下します。最悪の場合、家の建て替えが必要になることもあります。
シロアリの被害を最小限にするためには、雨漏りを早急に修理することが不可欠です。この対策が重要です。
3.建物の傷み・資産価値低下
雨漏りによる被害で最も金銭的な負担が大きいのは、建物の傷みによって資産価値が低下することです。
雨水が染み込んで木材が腐る、シロアリによって家が食べられる、そして大量のカビが発生するなど、先に述べた天井のシミによる二次的な被害によって、建物の内外が傷んだり劣化する可能性があります。これにより、中古物件として売る際に資産価値が低下してしまうことがあります。
天井のシミを放置することで、500万円以上もの価値が下がることもあると言われています。不動産業界では、「雨漏りがもっとも家の価値を下げる要因である」と指摘されています。
漂白剤で雨漏りのシミを消す方法
雨漏りの後にできた跡が天井や壁紙に残ると、見た目が損なわれ、気になることでしょう。もし表面部分だけの跡やシミであれば、自分で対処することもできます。漂白剤を使用する方法があります。
市販の漂白剤を10%~50%に薄め、スプレーなどで天井や壁紙に吹きかけます。しばらくの間、漂白剤が作用するのを待った後、水で拭き取ります。その後、乾いた布で余分な水分や汚れを拭き取り、最後に1日ほど自然乾燥させましょう。この方法で雨漏りの跡を消すことができます。
雨漏りと水漏れの症状と見分け方
もし水漏れがあり、それが雨漏りかどうかが不明な場合は、以下のチェックリストを確認してみてください。
・雨が降っていない日でも水漏れが発生する
・2階から下の階に水が漏れている
・漏れてくる水が生臭い匂いがする
・エアコンの下だけに水がある
・生活習慣が変わっていないのに水道料金が上がった
・雨が降っていないのに大量の水が漏れてきた
これらのどれかに該当する場合、雨漏りではなく水道管の破裂、野生動物による被害、配管の劣化などが原因である可能性が考えられます。これらに該当しない場合や判断が難しい場合は、専門家に調査を依頼しましょう。
築10年以内の住宅の場合、雨漏りの修繕は施工業者の負担で行われることがありますので、ハウスメーカーや関連業者に連絡してください。築年数が経過している場合は、雨漏り箇所を特定するために専門家の協力が必要です。
雨漏りのシミ消しを業者に依頼する相場
専門業者に修理を依頼する場合、クロスのみの修理なのか、下地ボードや補強材も含むのか、また修理範囲や使用する材料によって工事費用は異なります。
各業者ごとに料金体系が異なるため、異なる業者から見積もりを取り比べることが必要です。
雨漏り修理から内装の補修まで、一貫して見積もりを取ることで、複数業者に依頼する手間を省くことができます。
おおよその目安として、業者に工事を依頼した場合の金額を以下に示します。
・クロスの張り替え:約50,000円~150,000円
・下地の張り替え:約50,000円~200,000円
・天井板の張り替え:約100,000円~200,000円
ただし、これらはあくまで参考価格であり、具体的な見積もりは各業者に確認する必要があります。
天井にシミを発見した場合には、すぐ業者に連絡しましょう!
「日に日に広がるシミ、変色が進む壁、原因が不明で気になる。」
「もしかしたら雨漏りかもしれませんし、別の原因かもしれません。業者を呼ぶべきか迷っている。」
そんなお悩みをお持ちではありませんか?調査の結果、もし雨漏りでなかったら恥ずかしいし、申し訳ないと感じることは一切ありませんので、ご安心ください。
シミの被害が広がると、補修にかかる費用や時間もかさんでしまいます。原因が分からずに悩むよりも、小さなシミでもまずはお早めにご相談いただくことをお勧めします。